生活エッセイ

フェミニンでいたい。せめて犬のクソよりは。

Tシャツを買った

最近、Tシャツを一枚買った。
何の変哲も無いシンプルなシャツ。
特にデザインが気に入った訳でも、着た際のシルエットやフィット感が気に入った訳でもない。
購入理由はたった1つ。
汗染み防止機能付きだったからだ。
本当に全然脇汗が染みないし最高に素敵な商品だったんだけど、なんていうかね、
服を買うときの優先順位が「カワイイ」より先に「脇汗」になっちゃってる自分、めちゃめちゃ悲しくないですか?

フランス人は10着しか服を持たない

なんて言葉があるけど、私もそう。
純日本人だけど、なんなら10着も持ってない。うち一着は子供のゲロの染みが取れないユニクロのTシャツ。
この話の恐ろしい所は、私はミニマリストでもなんでもないってことなんだよ。
何の理由もなく、ただ持ってない。何でなの?バカなの?
毎日毎日同じ服。
保育園の送迎くらいしか外出の用事もないからと思って特に危機感を持っていなかったけれど、先生はこんなわたしをどう思っているんだろうか?
もうこういう色の皮膚の人だと思われてんじゃないだろうか。
怖いよ、毎日同じ服の人。
なんなの?制服なの?30歳で制服着てるの?
どこのだよ。何の団体に属してんだよ。
スティーブ・ジョブズもいつも同じ服をきてるから同じ服が何着もクローゼットに入っていたとかなんとか言うけどさ、
わたしがスティーブ・ジョブズと唯一違うのは、こっちゃ一着しか持ってないってことなんだよね。
うん、洗濯しよう!

フェミニンでいたい。せめて犬のクソよりは。

まあそんなにめちゃくちゃオシャレな人になりたいわけじゃないんだけど、
さすがに人様の前に出るときにはそれなりの格好をしなけりゃならない。
だけど、オシャレのことを何もわかっていない私がいきなりイケイケな服を着て変に目立ってしまうのが怖い。
シュープリーム?へ〜これ流行ってんだ!じゃあ全身揃えちゃおう!ってなるのが一番やばいじゃん
雑誌なんかも読まないからファッションの知識を永遠にアップデートできずに60になってもニューエラ被ってご近所の名物おばさんになるのが怖い。
ほどほどに、ほどほどに。
ずばり私が目指すところは、
犬のクソよりフェミニンである。
飛び抜けてオシャレでなくてもいい。
それでも最低限のマナーとして、ある程度の清潔感は持っていたい。
ある程度人を不快にさせない清潔感と、風景に馴染んで溶け込める自然さ。
そんなの犬のクソ以外に考えられない。
酔っ払いのゲロが最低ラインだとした時、汚いしできれば見たくはないんだけど視界に入ってもそこまで嫌な気持ちを引きずるほどでもない絶妙なライン。
それが犬のクソではないだろうか?よく見るし。
私が目指すべきファッションのお手本といってもいい。
犬のクソよりフェミニン。
ここ目標に、頑張っていこう!

可愛い服が着たい

こんなわたしでも、独身時代は一応まともな服着て外を歩いていた。
華奢に見えるワンピースも、7センチのヒールも、揺れるピアスも、子供を産んでめっきりご無沙汰になってしまった。
まあ揺れるピアスなんて付けようもんなら暴れ狂う2歳児に耳引きちぎられてもおかしくないよ。死んじゃうよ。
かつてタンスにぎゅうぎゅうに詰め込まれていたダズリンのブラウスや、スナイデルのワンピースはすっかり全部西松屋に居場所を奪われている。
少しだけ寂しいような、微笑ましいような。
きっとオシャレに時間を割けるようになる頃にはダズリンのワンピースなんてとっくに似合わなくなっていて、揺れるピアスも付けなくなってるんだろうな。
というかもう年齢的にアウトなのか?わからん。

幸せは自分の心が決める

相田みつをの有名な言葉がある。
幸せは自分の心が決める。
同じことをしても幸せだと感じる人もいるし感じない人もいる。
幸せのハードルをあまり高く上げすぎてしまうと、何をやっても幸福感を得ることができない。
ファッションもこれと同じなんじゃないか。
オシャレは、自分の心が決める。
普段から使い古したボロ雑巾みたいな服ばかり着ているわたしからすれば、
服なんて袖がありゃ何だってシャネルみたいなもんだ。
ハイブランドのお洋服ばかり着てるみなさん、それって本当にあなたの求めるオシャレなんでしょうか?
ハードル上げすぎてませんか?
一緒に目指そう、犬のクソ!
わたしは今、ファッションの新たなステージへと走り出そうとしています!