育児

男性の育児休暇、本当に取得すべき?

先日、男性の育児取得を推進しているツイートを見かけた。

これを見て、私は強烈な違和感を覚えた。

男性の育児参加の少なさって、本当に育休の取得率の問題なんだろうか?

もしうちの夫が育休を取ったら

うちの夫が仮に育休を取ったら、どうなるだろうか。

毎日昼まで寝て、たまに子供をあやしたりおしっこのオムツを替えたり、おそらくできることはその程度だと思う。

夜泣き対応もミルク作りもうんちのオムツ替えも、結局するのは私だろうし、乳児の世話に加えて一日中家にいる夫のために朝昼晩と三食も作らなければならないと思うとそれだけで嫌気が差す。

オムツ替えシートを敷いて、新しいオムツとお尻拭きを準備して、

「パパ〜!おしっこしちゃったみたい!オムツ替えてくれる?」なんてにこにこしながらお伺いを立てて、

「パパに替えてもらえると気持ちいいね〜!」とオムツの処理をし、開けっ放しで放置されているおしりふきの蓋を閉める(男性ってのはどうしてこうおしりふきの蓋を頑なに閉めないのか、本当に理解に苦しむ)自分の姿が容易に想像できる。

娘は今2歳。夫はようやくおしっこのオムツは自分一人で替えられるようになったけど、それでも基本は

「ママ〜!おしっこ出てるよ」と意味のない声掛けをしてくれるだけだ。

出来るようになっただけで、結局しない。

これを読んで、

「うわ〜この人の夫、全然何もしないんだな。可哀相に。なぜそんな人と結婚したの?」

と思うだろうか。

うちの夫は家事育児に協力的なタイプではない。それは事実なんだけど、

じゃあうちの夫が「特別」で、何もしない「酷い夫」なんだろうか?

男性の育児参加

最近の男性はイクメンだなんだと世間ではよく言うけど、

最近では芸能人が「妻は育児で忙しいから僕が料理します」といったことがニュースになっていた。

つまり、男性が料理をすることがニュースになるくらい、家庭の夫は料理をしない。

私の見たデータでは、男女の勤務時間の差を考慮しても家事育児をしっかり分担している家庭は10%程度だった。

する人ばかりが持て囃され目立つだけで、実際に行動してる人はごく一部だ。

休み明けに職場のママ達と

「三連休やっと終わった…」

「疲れたね」

と話をした。

休日で夫と子供と一緒にいると、働いているよりも疲れる。

そんな声の方が多数派だった。

会社にいれば、少なくとも昼休憩の1時間は、きっちり座って休んでいられる。

私も三連休、日中はゆっくり座れた時間なんて3日合わせても30分もなかった。

私の夫も周りの夫も同じようなものなんだなと思った。

夫が育休を取って、本当に妻が楽になるならいい。どんどん取得して育児ノイローゼから救われる女性を増やして欲しいと心の底から思う。

だけど、本当にそうなるだろうか。

育休なんて取らなくたって、仕事から帰って妻の話を聞いてくれたり、自分の使った食器を自分で洗ったり、一晩に何度かあるうちのたった一回の夜泣き対応を実際に変わってくれるだけでいい。

そうすることの方が、「ただ家にいる」ことよりずっと大切なんじゃないか。

自分の子供がいつ何の予防接種を受けたか、スラスラ答えられる男性が何人いるだろうか。

離乳食のアレルギーチェックがどこまで進んだか、正しく把握しているだろうか。

保育園で仲のいいお友達の名前を、たった一人でも言えるだろうか。

私も乳児期は連日の夜泣きで完全に精神をやられてしまい、毎日夜が来るのが怖かった。何時間も泣く娘を抱きしめながら、私もいつも一緒に泣いていた。

夫は知らずに寝ていただけだ。

「仕事もせずに赤ちゃんと過ごせて、楽で幸せな一年間だったね」と言われることもある。

私には思い出したくもないくらい辛く苦しい時間だったけど、

夫は全く知る由も無い。

育休よりも大切なこと

男性も、自分が育児の当事者であるという自覚を持ち、理解をすること。責任感を持つこと。

ほとんど男性がそういうことができてない世の中で、ただ育休を取得することに意味があるとは思えない。

それよりも先にすべきことは、男性自身の意識改革だと思う。

「男性にやる気があり、最低限の家事スキルがある状態で、夫の収入が2/3になっても経済的に不安にならない家庭」に対しては、

男性の育休取得はかなり有効な手段だと思う。

だけど、どう考えてもそうでない家庭の方が一般的だ。

そういう家庭に寄り添って考えたり発信したりすることも大切だし必要だ。

ないがしろにしていいはずがない。

そして、私がよく言われること。

「なぜそんな男性と結婚したの?」

この発言、私は

「そんな夫を選んだあなたが悪い」という意味だと受け取っている。

果たしてそうなのだろうか?

家事をしない夫より、家事をしない夫を選んだ妻に問題がある?

そもそも家庭の悩みに対して「そんな夫を選んだから」なんて回答に何の意味があるだろう。

「育児が辛い」に対して「産んだあなたの責任」って言うのと同じくらいの思考停止だ。

上記の通り、家事をする男性が増えてきたとはいえせいぜい10%。

じゃあ日本の家庭の9割は「そんな男性を選んだ愚かな妻」になってしまう訳だけどそれって本当に正しいの?

勿論家事をする男性は素敵だと思う。

だけど、しない男性は結婚をする価値がない訳でも、選んだ女性が悪者な訳でもない。家事をする男性は素敵な人だけどそうでない人を捕まえて結婚自体を否定するのは絶対に違う。

誰が悪いのかよりも、じゃあどうすれば分担できるようになるか?男性の意識改革に繋がることってなんだろう?

そういうことを考えたり試したりすることが大事なんじゃないかな。

まあ、それが中々上手くいかないんだけれども。

私が男性の育休に躊躇する理由

実は私が男性の育休取得に肯定的でないのには理由がある。

夫が育休を取った結果、育児ノイローゼになってしまった女性を一人知っているからだ。

その家庭では育児は夫、家事は妻、という分担になったらしく、

ミルクを飲ませるのは育児だけど

ミルクを準備するのは家事、もちろん哺乳瓶の消毒も家事。

お漏らしのシーツを洗濯するのも家事だし、吐き戻しの片付けも家事。

沐浴は怖いからやりたくないし、

昼間の育児は夫が担当するんだから夜泣きは奥さんが担当だったんだそうだ。

子供の教育に悪いから、とテレビもスマホも一切禁止で、本来なら唯一休める時間である子供のお昼寝の時間は、夫の世話に費やすことになった。

どう考えてもおかしい。同じ女性なら間違いなくそう感じるだろう。

1日でも早く夫が職場復帰してくれることを願っていたそうだけど、結果的にはそれよりも彼女が病院にかかる方が先だった。

妻の育児ノイローゼを告げられた夫は、

なぜそうなってしまったのかさっぱりわからなかったそうだ。

俺はあんなに育児に協力したのに、と。

この話を聞いて心底肝が冷えた。

夫に悪気がなかったのは本当だろうし、育休を取るくらいだから育児にも興味とやる気があったんだろう。

怖いと思うと同時に

多くの家庭であり得ることだと思った。

決して稀少なケースではない。

こんなすれ違い、程度の差はあれどどの家庭でもあるんじゃないのか。

この認識の違いが埋められないまま男性の育休取得率だけが上がってしまうと、きっと色んなリスクが出てくる。そしてそれは多くの場合、女性側に降りかかってくるんじゃないのか。

男性は育休を取るなと言いたいのではない。ただ、育休よりも先になすべき課題がたくさんある。

それをまず理解して欲しい。

「妻に皿洗いを頼まれるのが嫌だから」なんて馬鹿げた理由で家に帰らない夫だっている。

そしてそれは、極一部の「酷い夫」ではなく、ありふれた一般家庭に普通に存在するのだ。

育休を取得するだけで、夫が育児に参加するようになるとは私には到底思えない。

最後に

男性の育休取得について、かなり反対意見を書いてしまった。もしあなたが賛成派で、気分を害してしまったのなら申し訳ない。批判ではなく1つの意見として受け止めて貰えたら有難い。

夫婦がお互いに話し合い手を取りながら家事も育児も協力し合いこなしていくこと、性別関係なく育休が取得できるようになることが、本当は一番の理想だと私も思っている。